北陸電力が値上げで評判ガタ落ち?メリット薄に利用者は…

北陸電力が値上げで評判ガタ落ち?メリット薄に利用者は…

新電力の口コミ・評判, 大手電力会社

大手電力会社「北陸電力」を調べようと公式HPを覗いたところ・・「2018年4月から、一部のお客さまに電気料金の値上げをお願い…」との告知がありました。値上げの対象は企業だけでなくオール電化などの家庭も含まれるようです。

北陸電力は「原発が稼働できずコストが上がったため」としていますが、同社はそもそも2017年の決算で最終赤字になっています。

大手電力会社なので1年くらい赤字になったからといって経営の屋台骨が揺らぐことはないでしょうが、会社のかじ取りを失敗したしわ寄せが顧客に来てしまうとは。

しかも、新電力会社が次々現れて電気料金は値下げ傾向にあるのに、その流れに逆行する形で値上げをしてしまって大丈夫なのか?北電エリアにお住いの方はさぞかし不安と不満でいっぱいのはず。

まぁ、値上げするな!と言っても無駄なことなので、このまま利用すべきか?それとも、新電力に切り替えるべきか?検討する際に役立つ情報をお伝えします。

北陸電力とは?

北陸電力とは?

北陸電力株式会社は富山市に本社を置く、北陸地方では随一の規模を誇る大企業です。主に富山県、石川県、福井県に電力供給しており、志賀原子力発電所をはじめとした発電所の運用も行っています。

以下は北陸電力の公式HPに記載がある概要です。

会社名 北陸電力株式会社
所在地 富山市牛島町15番1号
設立 昭和26年5月1日
資本金 1,176.4億円
従業員数 5,010人(平成29年3月31日現在)

北電?陸電?正しい呼び名は?

どうでも良いことかもしれませんが、北陸電力をなんと呼ぶのが正しいのか?ちなみに、候補として挙げられるのは…

  • 北電(ほくでん)
  • 陸電(りくでん)

です。結論から言うと、どちらも間違いではないようです。

また、ウィキペディアでも「営業地域内では北電(ほくでん)の略称を用いているが、地域外では北海道電力との区別のため陸電(りくでん)を用いている。」と説明してあり、管内では北電、全国的には陸電が主流みたいです。

本当、どうでも良いことでした。

北陸電力の電力供給エリア

北陸電力の電力供給エリア出典:えるふぷらざ

北陸電力の電力供給エリアは、富山県、石川県、福井県の一部、岐阜県の一部です。また、首都圏での電力販売も行っています。

原発は停止中

出典:産経ニュース

石川県志賀町にある志賀原発は1、2号機がありますが、いずれも停止中です。

北陸電力は、安くて良質な電気をつくるために志賀原発は欠かせないとの立場で再稼働を目指しています。しかし、原子力規制委員会が原子炉の真下に活断層があると指摘しているので再稼働は難しい情勢です。

2017年は約6億円の最終赤字

売上高と当期純利益(損益)の推移は以下の通りです。

2015年 2016年 2017年
売上高 5,327億円 5,445億円 5,426億円
純利益 90億円 129億円 6億円

2016年から2017年にかけて減収減益になり、2017年は6億円の最終赤字と転落してしまいます。なぜ赤字になってしまったのか?気になるところだと思いますので、後ほど「北陸電力のデメリット」で詳しく紹介します。

北陸電力の電気料金プラン

さて、肝心の電気料金はどうなのか?プランによって料金に違いがあるので、ご自身の生活スタイルと照らし合わせてご覧になってみてください。

「やっているプラン」と「終了したプラン」

それでは次に、北陸電力のおトクプランをみていきましょう。出鼻をくじくようですが、サプライズはありませんよ。

しかも、いくつかのおトクプランはやめてしまっています。時代はどんどん電気料金を下げていく流れなんですけどね。

節電とくとく電灯プラン

まずはまだ「やっているプラン」を紹介していきます。

節電とくとく電灯プランは、夏と冬の電力需要が急激に高まるときに、北陸電力の要請に応じて節電に協力してくれる家庭に対し、電気料金を値下げするサービスです。

節電しなければならないのは、7~9月の13~16時と、12~3月の11~14時です。これはなかなか厳しいですよね。特に夏場はクーラーの使用を我慢しなければなりません。熱中症にならないといいのですが。

くつろぎナイト12プラン

くつろぎナイト12プランは、1人暮らしのサラリーパーソンなど、平日の昼間に自宅の電気を使わない世帯向けのプランです。

夜と土日祝日の電気料金の単価は12円28銭/kWhと、ものすごく安いのですが、その代わり平日の昼間の単価は最大34円31銭/kWhになります。これはとても高い金額です。平日に休みが取れても、自宅に居たくなくなりますね。

やめてしまったおトクプラン

それでは次に、「やめてしまったプラン」を紹介します。

  • 1kWh当たり7円台という驚異の安さを誇っていた「深夜電力」プラン
  • 2世帯住宅など大家族向けの「エルフナイト」プラン
  • エルフナイトをさらに値下げする「割引」プラン

これら全てやめてしまいました。

お得な料金プランだっただけに、このようなサービスの低下はとても残念ですね。

北陸電力とLooopを比べてみよう

北陸電力エリアで人気のある新電力「Looopでんき」。北陸電力と料金比較すると、全国的にシェアを拡大し続けている理由が分かるはずです。

北陸電力 Looop
基本料金

(北陸電力はこのほかに最低月額料金178円08円が必要)

30A 712円80銭 0円
40A 950円40銭 0円
50A 1,188円 0円
60A 1,425円60銭 0円
従量料金 ~120kWh 17円52銭 21円
120kWh~ 21円33銭 21円
300kWh~ 23円02銭 21円

単身など電気を使わない人以外、北陸電力の方が高くなりそうです。それぞれの家庭によって多少の違いがあったとしても、安い電気として選ぶならLooopでんきの方がお得です。

こんな頑張った料金で逆に心配…

そのように感じるかもしれませんが、仮に倒産などで運営できなくなっても北陸電力が何とかしてくれるように法律で定められています。

ただ、Looopでんきは安さとシンプルさが売りで、それ以外はあまり特徴のない新電力です。その為、電気代のみ安くなれば良いという人以外にはパっとしないかもw

キャンペーン・プレゼント

北陸電力では様々なキャンペーンを実施しています。申込みを検討しているなら知って得する情報だと思いますよ!

ほくリンクポイント

ほくリンクポイント

北陸電力では、電気料金を支払うとポイントが貯まり百貨店やスーパー、飲食店などで利用できる「ほくリンクポイント」というサービスを提供しています。

どこでもやっていそうなサービスなので説明はしませんが、気になる方は以下の詳細ページを確認してください。

≫ほくリンク詳細ページ

おうち割 北陸電力 でんきセット

おうち割 北陸電力 でんきセット

「おうち割」は、携帯大手のソフトバンクとTSUTAYAなどで使えるTポイントとのコラボレーション企画です。ソフトバンクの携帯やスマホを使っている人が北陸電力の電気を使うと、電気代に応じてポイントが付与されます。

1ヵ月の電気料金 でんき代によって
貯まるポイント
1円~5,000円 50ポイント
5,001円~8,000円 200ポイント
8,001円~ 300ポイント

こちらのキャンペーンに申込みしても特にデメリットはありません。しかし、これ目当てに申込みするとスマホ解約時などはマルッとなくなります。

2年周期に乗り換える時代なので、先のことをしっかりと考えてから申込みしましょう。

北陸かがやき契約

北陸&首都圏で北陸かがやき契約」とは、北陸電力の首都圏での電力販売と連携したユニークなサービスです。

北陸地方で北陸電力を使っている家庭で、その家族が首都圏に引っ越してそこでも北陸電力を使うとポイントがもらえます。北陸から上京する人を支援してくれる良いサービスですね!

北陸電力のメリット

北陸電力を使っている人は、地域に密着した企業の電気を使っているという実感を得られるでしょう。これが北陸電力を使うメリットです。

誠実な企業。値上げを申し訳なく思う気持ちが伝わる

冬場に厳しい気候になりがちな北陸地方において、北陸電力は長年にわたって電力を供給し続けてきました。

また、北陸電力はとても誠実な一面があります。料金の値上げは消費者から嫌われるので、普通の企業はあまり表に出したがりません。

しかし、北陸電力はホームページのトップ画面の最も目立つ場所に、「電気料金の値上げをお願いすることになってしまい、申し訳ありません」といった内容の陳謝の文章を掲載しているのです。

他の大手電力会社のホームページであれば、テレビCMに起用しているタレントの顔写真を載せる場所に、あえてネガティブな情報を掲載する北陸電力からは「北陸の皆様と真摯に向き合おう」という気持ちが伝わってきます。

北陸電力のデメリット

北陸電力のデメリットを探しましたが、これといってないんです。突っ込みどころ満載の電力会社が多い中、ネットでもそこまで話題にあがらないし、赤字を除いては優良な企業だと思います。

ただ、強いて言うなら「電気料金が安くない」ことですね。

新電力を比較して安い電気を見つけてもらうことが当サイトの目的なので、その点においては低い評価をさせていただきました。

陸電が6億円の赤字となった理由

2017年の決算で、北陸電力は最終赤字を6億円も計上してしまいました。これだけ大きな会社ですし、発電という県民生活に欠かせない仕事をしているので、これだけで「経営が揺らぐ」という事態は起きません。

しかし、電力事業は原則、燃料を買って発電して売るというビジネスモデルなので、あまり赤字にはなりません。北陸電力に何が起きたのでしょうか。

燃料代が値下がりしたのに赤字?

北陸電力の「2017年3月期決算短信」によると、北陸地域の経済は北陸新幹線の開業によって交流人口が増え、比較的順調に推移していました。そのお陰で、北陸電力の電気販売も好調でした。

ところが、燃料費調整額が減り請負工事が減ってしまったのです。

燃料費調整額とは、発電に使う石油などの燃料代が値上がりしたときは電気料金を高くして、燃料代が値下がりしたときは電気料金を安くする仕組みです。

よって燃料費調整額が減ると北陸電力の売上高が減ります。

しかし燃料代が値下がりしたことは、北陸電力の儲けを増やすことにつながるので、この説明では赤字になった理由としては説得性がありません。

「修繕が必要だったし、退職金も増えたし」って言いますが…

北陸電力が赤字になった原因はまだあります。それらを要約すると、大体次の通りです。

POINT

  • 設備が古くなったので修繕費が増えた
  • 金利が低くなったので退職金の支払いが大変だった
  • コストが安い水力発電量が減った

説明というより言い訳に聞こえてなりません。

設備が古くなることは事前に分かることです。低金利になると退職金の支払いは大変になるかもしれませんが、資金調達ではメリットがあるので、それを赤字の理由にするのは「ちょっとなあ」という感じです。

水力発電量が減ったのは気候の影響なので仕方がないですが、それでも「未曽有の雨不足」になったわけでもないので、これも赤字の理由に挙げるのは無理があるかな、という印象です。

「今後の見通しが立たない」ってw

そして北陸電力が盛んに主張するのが「志賀原発が引き続き運転できなかったから経営を圧迫した」ということです。

原発の停止を2017年の赤字理由に挙げただけでなく、今後の見通しについても、

志賀原発の再稼働を目指しているが、現時点では供給力が見通せないから営業利益、経常利益、当期純利益ともに未定

と説明しているのです。

これで大丈夫なのでしょうか?先ほど紹介した通り、志賀原発については、原子力規制委員会が原子炉の真下に活断層があると指摘しているので再稼働は難しい情勢です。

ということは、当面は志賀原発が再稼働できない前提で「今後の見通し」をつくるべきなのではないでしょうか。

北陸電力の口コミ・評判

北陸電力関連のツイートを検索すると、やはり「値上げ」と「志賀原発」についてが多かったです。

原発については反対意見が多数を占める

原発の問題って当事者にならないと分からないこと。私がああだこうだ言うのは違う気もしますが、再稼働を反対する人たちの気持ちは何となく理解できます。

だって、地震もそうだし、北朝鮮情勢が不安定でミサイルでも撃ち込まれたら終わりですからね。

値上げは反対のみじゃなかった

このような意見ばかりだろうと思いきや、賛成とまではいかなくても容認している人が結構いました。

北陸電力の元々の料金が、全国的に見て安いことを知っている方、黒字化することでメリットのある方など、値上げについては決してマイナスな感じではないようです。

北電関係者はもちろん反対しないでしょうし、値上げでマイナスしかない人は新電力に切り替えれば良いだけ。

電力自由化前のように契約する電力会社が決められている訳じゃありません。自分が一番良いと思う方向へ進んでいきましょう。もし、1円でもお得になりたいなら私と同じ思考なので、以下の記事などで新電力を探しましょう!

まとめ

値上げ後に書いたので、ちょっと否定的なことも多くなりましたが、10ある大手電力会社の中でも北陸電力は優良な方だと感じました。

ただ、志賀原発の再稼働問題など今後の課題は山積みです。新電力に切り替えないでそのまま利用している消費者のためにも、可能な限り安く、安心して使える電気を提供してほしいものです。